2011年5月31日火曜日

発がん物質ヨウ素131を含む食材が流通、セシウムは生物濃縮される

グリーンピースによる海産物放射能検査結果が発表されました。魚、貝、海藻、ヒトデやナマコなど様々な種から検出されています。汚染は徐々に食物連鎖系に入りつつあります。

農林水産省は「放射性ヨウ素131の明白な発がん性」を隠したまま流通させています。また、「セシウムは蓄積しない」と発表していますが、そもそも暫定基準を超える高濃度のセシウムが検出されること自体、セシウムが生物に取り込まれて濃縮される証拠です。
参考 
農林水産省 水産生物における放射性物質について

注)ロゴが入っている画像はトリミング、URL記入、画質調整、などで加工してあります。
オリジナル画像はURLからご入手ください。

グリーンピースによる海産物放射能検査
出典 グリーンピース
魚や海藻、貝類、なまこ、ヒトデなど海洋生物が暫定基準値を大幅に上回る放射性物質に汚染されている。明白な発がん性のある放射性ヨウ素も高濃度で含まれる。高濃度の放射性ヨウ素が存在する環境の中で人間だけが例外だと考えるのは楽天的すぎる。


グリーンピースのコメント

調査結果概要:

・ 21サンプル中14サンプルが、日本政府の定める暫定規制値を超える
エゾイソアイナメ(福島県)から 1kg あたり 857Bq のセシウム(Cs-134 + Cs-137)を検出
カキ(福島県)から同 740 Bq のセシウムを検出
マナマコ(福島県)から同 1,285 Bq のセシウムを検出
アカモク(福島県)から同 127,000 Bq のヨウ素(I-131)および同 1,640 Bq のセシウムを検出

調査結果まとめ:

海藻類3サンプルで、1キロ当たり100,000ベクレルを超える放射性ヨウ素を検出。日本政府の定める暫定規制値の約50倍。半減期の短いヨウ素の大量検出は、原発から海への放射性物質の放出が続いていることや、莫大の量の汚染水が過去2か月の間に放出されたことを示唆。
・ 13サンプルで放射性セシウムが暫定規制値を超える。半減期の長いセシウムの大量検出は、汚染が長期にわたることを示唆。
エゾイソアイナメ、ナマコ、ヒトデなど、海の底に生息する種からも暫定規制値を超える放射性セシウムを検出。汚染が海の底にも広がっている可能性を示唆。
・ 最も汚染された海藻を年間1キロ摂取すると、2.8mSvの内部被ばく量に値する。
・ 広範囲にわたり高レベルの放射物質が見つかった。政府が言う「放射性物質は海で希釈される」という説は疑問。


福島県の調査でも海藻(ヒジキとアラメ)から発がん性のあるヨウ素131が検出
出典 厚生労働省
福島県の調査ではヒジキからは暫定基準を超える2200Bq/Kgの放射性ヨウ素が検出された。アラメからも明白な発がん性物質である放射性ヨウ素が1100Bq/Kg検出されているが放射性ヨウ素の暫定基準を下回るため、セシウムの値によっては出荷される恐れがある。


淡水魚にも広がる放射能汚染
出典 農林水産省
福島産のアユ、ヤマメ、ウグイなどの淡水魚も放射能に汚染されている



水産物の放射能検査実施状況
出典 農林水産省
黄色は暫定基準を超える放射能に汚染された水産物が採取された地域
福島第一原発から30キロ以上離れた地域の淡水魚も汚染されている

海藻類の放射能検査結果
魚種採取地採取年月日地図番号採取部位総放射性セシウム検出結果(Bq/kg)放射性ヨウ素
検出結果(Bq/kg)
トサカノリ
東京都
利島村地先
4月3日
121
全量
検出限界未満
4.91
ヒジキ
(乾燥ヒジキ水戻し)
千葉県
鴨川市天津
3月24日
36
全量
検出限界未満
65
ヒジキ
(乾燥ヒジキ水戻し)
神奈川県
三浦市金田地先
4月4日
88
全量
検出限界未満
216
ヒジキ
(乾燥ヒジキ水戻し)
神奈川県
三浦市金田地先
4月4日
125
全量
検出限界未満
9.48
ワカメ
福島県
いわき市久ノ浜沖
5月16日
313
1200(※)
380
ワカメ
福島県
いわき市下神白沖
5月16日
314
280
140
出典 農林水産省
農林水産省の調査では全ての地域の海藻から発がん性の明白な放射性ヨウ素(131)が検出されている。しかし、放射性ヨウ素の暫定基準値は2000Bq/Kgと高いため、放射性ヨウ素(131)を含んだ海藻が流通した可能性が高い。


放射性セシウムは生体内で濃縮される

農水省主張の「ごまかし」
出典 農水省
農林水産省は「放射性セシウムは生物蓄積をしつづけるわけではない」と言っていますが、環境中のセシウムは体内に取り込まれ濃縮されます(生物濃縮)。農水省は「生物濃縮はかなり低い」としていますが、大型の魚では約100倍に濃縮されています。また、グラフの縦軸を対数表記にして縦方向に圧縮し、DDTを併記することで生物蓄積を目立たなくしています。DDTのグラフを消して、縦軸を10進法表記にすれば違った結論になるでしょう。これは「ごまかし」です。


暫定基準が高すぎて検出されても出荷される

乳児の基準は原発排水基準の2倍
出典 放射能について正しく学ぼう


放射能入り食材を給食に使って大丈夫?
暫定基準とは安全宣言するためのインチキ。
出典 放射能について正しく学ぼう




コメント

農林水産省は放射性ヨウ素131の明白な発がん性には触れず、セシウムは蓄積しないと発表している。しかし、暫定基準を超える放射能が検出されること自体、セシウムやヨウ素131が体内で濃縮される証拠である。

放射性ヨウ素の半減期は約8日と短いにもかかわらず現在も検出されているということは、原発の汚水が漏れ続けている可能性や原子炉が再臨界となり持続してヨウ素131が放出されている可能性がある。

放射性ヨウ素131は明白な発がん性が有るにもかかわらず暫定基準が高く設定されており、放射性ヨウ素131を含む食品が流通して学校給食に使用されている可能性が高い。

日本の暫定基準そのものが異常で、乳児の基準が原発の排水基準の2倍である。このような異常な暫定基準に基づいた安全宣言には全く意味が無い。暫定基準とは安全宣言するためのインチキである。





 

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