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フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)は5月23日、原発から半径20キロ圏外にも放射線レベルの高い地域があり、この地域の住民約7万人も避難すべきとの見解を示しました。
推定年間被ばく量と人口(空間線量)
出典 IRSN (データは日本の文部科学省)
推定年間被ばく量(空間線量)の高い地域に人口密集地が重なる。
セシウムによる土壌汚染と推定被ばく線量及び人口
出典 IRSN (データは日本の文部科学省)
セシウムによる土壌汚染が強い地域に人口密集地が重なる。
上図の汚染地域住民の推定被ばく量(1年間)
出典 IRSN (データは日本の文部科学省)
上の地図で
緑の地域は年間10mSv以上被ばくする
黄色の地域は年間16mSv以上被ばくする
オレンジの地域は年間50mSv以上被ばくする
赤の地域は年間100-500mSv以上被ばくする
IRSNによると「警戒区域外では最も汚染が激しい」この地域には14歳以下の子ども9500人を含む約7万人が暮らしている。ここに住み続ければ福島原発事故発生からの1年間で、フランスで原子力事故時の公衆の安全基準となっている年間10ミリシーベルトを超える放射線を浴びることになるという。年間10ミリシーベルトは、フランスで自然放射線源から浴びる放射線量の3倍にあたる。食物や飲料水の摂取による内部被曝は含まれていない。
またIRSNが避難すべきだとした7万人のうち2万6000人以上は、事故後最初の1年間の被曝量が16ミリシーベルトを超える可能性があるという。
上記はAFP通信の記事を利用しています。
「さらに7万人が避難すべき」、仏IRSNが福島原発事故の評価を更新 (2011年05月25日)
低気温のエクスタシーbyはなゆー様の情報も参考にしました。
上図の汚染地域に10年、70年住み続けた時の被ばく線量
緑の地域は10年間で38mSv以上、70年間で82mSv以上被ばくする
黄色の地域は10年間で63mSv以上、70年間で136mSv以上被ばくする
オレンジの地域は10年間で190mSv以上、70年間で408mSv以上被ばくする
赤の地域は10年間で380-1900mSv以上、70年間で816-4080mSv以上被ばくする
海の汚染も進む
福島第一原発から海に放出される放射能汚水
出典 IARC
4月20日から4月27日に採取された海水中セシウム137の濃度を示す。現在も福島第一原発から継続して放射能を含む汚水が放出されていることを示す。
福島県及び茨城県で採取されたコウナゴの放射能
出典 IRSN
赤線はヨウ素とセシウムの暫定基準を超えたことを示す。
4月に採取されたコウナゴの放射線量。一部は暫定基準を超過するが、暫定基準を下回るコウナゴも高いレベルで放射能に汚染されている。コウナゴは食物連鎖系の初段階に位置し、次にコウナゴを捕食するタラやマグロなど海洋生態系に汚染が広がっていく。
コメント
フランスのIRSNは福島原発事故の評価について「さらに7万人が避難すべき」と発表しました。
これは、フランスで原子力事故時の公衆の安全基準となっている年間被ばく線量10mSvに基づく勧告である。
日本では子供の年間被ばく線量上限を20mSvに引き上げてしまったため大人も避難できない状態になっている。
IRSNは10年、70年と継続して住み続けた場合の積算被ばく線量を試算しているが最大4080mSvになるという。最初の一年間で健康影響が現れることは無くても、汚染地域に住み続けることが健康へのリスクになることを示唆している。
また、福島第一原発付近の海水調査により、4月後半になっても原発から放射能を含む汚水が継続して放出されていることが示された。
食物連鎖系の初期段階に位置するコウナゴから放射能が検出されており、これを捕食するタラやマグロなど海洋生物への汚染の拡大が懸念される。
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