2011年11月23日水曜日

4号機の原子炉は沸騰していた

4号機の原子炉には謎が多い。公式発表では定期点検中のため原子炉内に核燃料は存在しないとされている。しかし、発表された公式資料は4号機の原子炉内に核燃料があることを示唆している。また、4号機爆発の原因となった水素の発生源も謎がある。



注)ロゴが入っている画像はトリミング、画質調整、などで加工してあります。
オリジナル画像はURLからご入手ください。



1階から最上階まで損傷した4号機



タービン建屋側から見た4号機



4号機の原子炉は沸騰していた?

2002年に撮影された4号機原子炉ウェル
出典 東京電力



4号機原子炉に沸騰の痕跡(5階)
4号機の原子炉ウェル周囲のシートに白い湯垢(塩分)が付着する。
画面右下の電気プラグとコードも白くなっている。
黄色い円内に空調ダクト吸気口がある。
出典 東京電力


4号機原子炉ウェル沸騰の痕跡
・原子炉ウェル周囲の機材に白い湯垢(塩分)が付着している。
・原子炉ウェル直上の作業台中央下部が赤く錆びている。原子炉ウェルからの水蒸気でペイントが剥がれ、中央部分が錆びたようだ。
・原子炉ウェル周囲の手すりに巻かれたテープにも白い粉が付着している。
出典 東京電力



4号機の使用済核燃料プールには湯垢が目立たない
出典 東京電力 6月29日撮影
http://www.tepco.co.jp/en/news/110311/images/110701_1.jpg




水素の発生と流れ
水素はプールか原子炉で発生した?


燃料プールの空調ダクト吸気口(5階)
プールで発生した水素はダクトを通じて建屋に広がる
http://cryptome.org/eyeball/daiichi-111011/pict5.jpg



原子炉で発生した水素もダクトを通じて建屋に広がる
原子炉ウェルの吸気口(5階)





5階に水素発生源と吸気口がある
出典 東京電力



ありえない水素逆流説

東京電力は4号機の爆発について3号機で発生した水素が排気管と空調ダクトを通じて4号機に流れ、4号機の爆発を引き起こしたと発表した。そうであれば3号機と4号機は同時に爆発したはずだ。

参考

4号機爆発、3号機から水素逆流 東電が調査公表
出典 毎日新聞 2011年11月10日 東京夕刊
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20111110dde007040055000c.html

3号機爆発の瞬間
水素の逆流があれば4号機も同時に爆発したはず
 3月14日撮影





問題の排気管は4号機の爆発前に外れており、
水素の逆流は起きない
爆発前の4号機(右上)



 3号機の水素爆発でバラバラになった排気管
3号機と4号機をつなぐ排気管は壊れており
水素の逆流はあり得ない

出典 Fukushima Daiichi Nuclear Plant Hi-Res Photos


3号機の水素は4号機に流入してない


3号機と4号機を結ぶ排気管の中央に排気塔があり、
軽い水素は排気塔から放出され4号機に届かない。
出典 Fukushima Daiichi Nuclear Plant Hi-Res Photos http://cryptome.org/eyeball/daiichi-npp/daiichi-photos.htm


3号機の水素は4号機に流れない構造
出典 Fukushima Daiichi Nuclear Plant Hi-Res Photos



3号機に近い1階と2階の空調ダクトは無傷
仮に3号機の水素が排気管を通じて4号機に流れたとしたら、3号機に近い1階と2階のダクトにも水素が流れ、1階と2階の空調ダクトも損傷したはずだ。



2階内壁の空調ダクトは無傷
出典 東京電力
http://www.tepco.co.jp/en/news/110311/images/110529_12.jpg



1階天井の空調ダクトも無傷
出典 東京電力
http://www.tepco.co.jp/en/news/110311/images/110529_04.jpg



4号機プールの核燃料の謎


当初、4号機プールの核燃料は783体と報道
日テレ
出典 日テレ 3月15日
http://www.news24.jp/articles/2011/03/15/06178400.html



他局も4号機プールに783体の核燃料と報道
FNN
出典 FNN
福島第1原発4号機の火災鎮火 東京電力「放射能が漏れている可能性
4号機の核燃料は計1535本と判明
出典 保安院 3月17日
福島第一原子力発電所 使用済燃料プールにおける
使用済燃料の貯蔵本数
消えた752本の核燃料?


4号機には総計1535本(体)の核燃料があり、
そのうちプールには783本あるということ。

つまり、 1535-783=“752”

752本の核燃料が所在不明



752本の核燃料の一部は原子炉内にある?
出典 防衛省 3月23日撮影



不気味に光る4号機の原子炉
出典 防衛省 3月24日撮影
放射温度写真でグリーンに見える部分が使用済核燃料プール
その右側に赤く光る発熱体が原子炉。



被災時に何をしていたのか?
燃料プール上に放置された燃料棒交換機
出典 東京電力
http://www.tepco.co.jp/en/news/110311/images/110415_1f_1_1.jpg

被災時に何をしていたのか?
原子炉ウェルの上に残された作業台
出典 東京電力
参考
4号機原子炉ヘの注水は再臨界を止めるため?
http://phnetwork.blogspot.com/2011/07/blog-post.html
4号機の原子炉が白煙を吹く! 画像&動画を追加
http://phnetwork.blogspot.com/2011/06/blog-post_11.html
4号機に連日200トン注水中!
http://phnetwork.blogspot.com/2011/06/blog-post.html
4号機の原子炉で核燃料が燃焼中! その2 「動画あり」
http://phnetwork.blogspot.com/2011/05/blog-post_27.html
4号機に原子炉爆発の疑い、しかもプラントパラメーターは非公開
http://phnetwork.blogspot.com/2011/05/blog-post_13.html
4号機の原子炉で核燃料が燃焼中!
http://phnetwork.blogspot.com/2011/05/blog-post_11.html


原子炉の水素ガスが建屋4階に流れ、
機械の余熱で発火?
4号機の爆発は、使用済燃料プールと原子炉ウェルがある5階で水素ガスが発生し、空調ダクトを通じて4階に流れ、4階の機械や配電盤の熱で発火したようだ。

水素ガスの発生源(5階)と空調ダクト吸気口

空調ダクトを通じた水素ガスの流れ

最初に爆発が起きたとされる4階フロア
配電盤が黒く焦げている






海外で、東京電力の対応が物笑いの種


世界はもう、日本政府と東京電力を信用していない



コメント

東京電力は4号機の水素爆発について、隣接する3号機から水素が逆流したことが原因だと発表した。これは有り得ない結論だ。

問題の排気管は3号機近くで外れており、途中には排気塔もあり軽い水素は大気中に放出される。

4号機が爆発した3月15日、東京電力は4号機の核燃料プールに783本の核燃料があると発表したが、保安院は4号機には1535本の核燃料があると発表した。
つまり4号機では核燃料752本が行方不明なのだ。

4号機の写真を見ると原子炉ウェル付近に沸騰した痕跡が見え、防衛省の放射温度写真でも原子炉内に発熱体が見える。行方不明の核燃料は原子炉内にあるようだ。

被災前、東京電力は何らかの目的で4号機原子炉に核燃料を挿入したが、被災により冷却機能を失った4号機原子炉で水素が発生し、水素は5階の空調ダクト吸気口から4階へ流れたようだ。そして4階にある機械の余熱や火花に引火して爆発したように見える。









3 件のコメント:

  1. すばらしい分析です。
    謎が解明されました。ありがとうございます。
    要拡散ですね。

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  2. 日本の政府も東電も信用できませんね。

    日本のように狭い国で原発事故があれば避難出来る場所がない国では原発以外の発電方法を考えるべきです。

    問題を隠蔽すると言う体質を持つ、と言う点では
    原子力保安員、政府、東電、マスコミ、銀行など 皆同じ穴のムジナなので、この問題は、日本一国の問題ではなく、世界人類の危機と捉えて、国際社会から同じ穴のムジナ達を問い詰めて原発廃止への圧力をかける必要が在ります。

    日本国民は何も知らされないまま、税金と言う形でお金を取られ、知らないうちに被曝しています。

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  3. 事故発災以来、拝読しておりますが
    お礼を申し上げるのが大変遅くなり済みません。
    いつも有益な情報を提供してくださって
    心より感謝申し上げます。

    本当に素晴らしい分析だと思います。
    4号機原子炉についての疑惑に関して
    友人にもいろいろ知らせていましたが
    信じてもらえませんでした。
    けれども、こちらの記事を精読すれば
    きっと納得してもらえると思います。
    是非、多くの人々に情報を拡散したいと思います。

    精緻なご分析、冷静で粘り強いご姿勢に対して
    敬服すると共に今一度感謝申し上げます。
    今後とも引き続きご提言、情報提供など
    是非とも宜しくお願い致します。

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