2011年8月7日日曜日

広がる放射能汚染、自主避難に補償なし

東京電力は「現在の放射能の放出量は1時間当たり10億ベクレルであり、事故当時と比べて約200万分の1になった」と発表した。この発表で安心してはいけない。妊婦も子供も、現在の約200万倍の放射能を浴びたのだ。
 
 
この放射能を浴びた肉牛への補償は決まりつつあるが、自主避難した母や子供たちへの支援と補償は検討中のままである。



注)ロゴが入っている画像はトリミング、URL記入、画質調整、などで加工してあります。
オリジナル画像はURLからご入手ください。



放射能の放出は止まらない


現在の放出量は1時間当たり10億ベクレル
(ただし、セシウム134と137のみ)
出典 東京電力
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/images/f12np-gaiyou_3.pdf




汚染は岩手県、宮城県、栃木県、茨城県まで広がった

空間線量率 7月16日現在
出典 文部科学省
 
 
 
セシウム蓄積量の合計 7月16日現在


 
東京電力は牛肉汚染について
「汚染された稲わらを与えた農家の責任」と言う
出典 河北新聞



メルトスルーした核燃料が地下にめりこんでおり
地下水と海洋を汚染している
出典 海側遮水壁の先行実施について 東京電力

メルトダウンした核燃料が圧力容器の底を破って落下(メルトスルー)しており、核燃料は地下にめりこんでいる可能性がある。地下に漏出した核燃料は地下水と海洋を汚染しているため、早急に原子炉建屋周囲に遮水壁を建設しなければならない。

 


原子炉はこんな状態
放射能放出量は1時間当たり10億ベクレル
出典 東京電力
高温の原子炉と格納容器に水と窒素を注入しているにもかかわらず、原子炉圧力容器と格納容器(D/W)の圧力は大気圧とほぼ等しく、上図のように両者には穴が開いていると思われる。細野氏も上が筒抜けとコメントしている。

参考
福島第一原発の核燃料が地下にめり込む

核燃料メルトスルーで建屋の底から放射能が漏れる


6月3日ブルームバーグ
細野首相補佐官:できるだけ早い段階で冷温停止時期示したい(1)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=auleygjCwRsA
細野氏は1、3、4号機については上が筒抜けになっており、100度を下回っても蒸気は出ないが湯気が出るので見た目は変わらないと述べた。

 
汚染された肉牛への補償は1頭あたり5万円



原発避難住民の補償は1人当たり月10万円
文科省の原子力損害賠償紛争審査会
住民の精神的損害に対して一人当たり月額10万円、体育館などプライバシーが確保しづらい場所で避難生活を強いられた住民については、より精神的苦痛が大きいとして2万円上乗せして、月額12万円、屋内退避については、指示が解除されるまでの約40日間の総額で10万円を目安とすることが決まった。
日テレ 原発避難住民の精神的損害、月10万円目安  2011年6月21日 0:00
http://www.news24.jp/articles/2011/06/21/07184880.html#




自主避難した子供と母親は賠償の対象外
郡山市から青森市に避難した母と子供



福島では私立幼稚園の児童2000人が退園し県外へ
自主避難は賠償対象か


しかし、自主避難者への支援は見送られた
原子力損害賠償紛争審査会、肉牛の風評被害の賠償を含めた中間指針取りまとめ
出典 FNN
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00204847.html



自主避難者への補償は決まらず
牛肉・茶も風評被害 賠償対象、中間指針

 


実際、放射能の放出は止んでおらず、
原子炉建屋の屋根が吹き飛び核燃料がむき出しの現在、
少なくとも母子の自主避難は必要。
平成23年3月27日 福島第1原発状況
http://www.youtube.com/watch?v=ZKFGavZ_rf4&feature=player_embedded


「健康影響はクヨクヨしてる人に来る」と
ダマシタ教授?



東電にいいようにあしらわれないために知っておきたい話
http://www.youtube.com/watch?v=CONRzqDAKcs&feature=related



チェルノブイリ・ハート
チェルノブイリ・ハートとは、「チェルノブイリの心臓」という意味。
チェルノブイリ原発事故後、心臓に欠陥を持つ子どもが多く生まれるようになった。
【抄訳】は下記URLへ
http://lokulog.blog43.fc2.com/blog-entry-1328.html



原発対応に満身の怒り - 児玉龍彦

参議院の委員会で当時の東京電力の清水社長は強制避難でないと補償しないと答弁を行っていますが、これは分けて下さい。補償問題と線引の問題と、子どもの問題は、ただちに分けて下さい。子どもを守るために全力を尽くすことをぜひお願いします。


コメント

原発事故では国民が一方的に損害を被る構造になっている。放射能汚染で土地や家屋を失っても、それに見合う資産は貰えず、一時的な補償金で狭い仮設住宅への長期居住を余儀なくされる。

農産物や家畜の汚染は、ブランドの棄損、価格下落、消費低迷という膨大な損失を長期的に受けることになる。しかし、風評被害と呼ばれて一時的な補償金は貰えるが、長期的に受ける実害をどう補うのだろうか。

なによりも奇妙なのは人体への被害が軽視されていることだ。原子炉は上にも下にも穴が開いており1時間当たり10億ベクレルの放射能を撒き散らしている。

東京電力は「放射能の放出量が当初の約200万分の1になった」と発表したが、今の200万倍の放射能を浴びていた妊婦や子供たちは健康でいられるのか?

放射能による健康影響を示唆する科学的根拠が十分あるにもかかわらず、最も影響を受けやすい妊婦と子供たちの避難勧奨が十分に行われておらず、自主避難者に対する補償も先送りになった。

参議院の委員会で東京電力の清水社長は強制避難でないと補償しないと答弁しており、放射能による影響を最も受けやすく、最優先で保護すべき子供たちと母の命がないがしろにされている。

 

3 件のコメント:

  1. 毎日24GBqも出続けてるのでしょ。水は汚染水処理の循環的冷却は出来ても、ちょっと近づいて閉じ込めなんか無理ですよね。今後も環境にはき出される核物質はどのくらいでしょう、総計ではチェルノブイリ並みになるのではないですか?

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  2. >東電に賠償請求書提出=自主避難400世帯-移転費用など12億求める

    というニュースが本日流れていました。
    どのようになるのでしょうかネ

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  3. 少なくとも、大阪より東で生活するのは、放射能によるリスクに晒され避難すべきだと大部分の人は知っている。でも、現実には、経済的理由等でそれが果たせない。特に子を持つ親は、日々どんな思い出過ごしていることか。察してもあまりある。

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