放射能の放出は続いていますから引き続き妊婦と子供たちは疎開するか被ばくを避ける努力を続けてください。
原子炉からの被ばくについて
5月8日早朝の放射性物質放出時は北向きの風が吹いていました。放射能の放出が予定される日は風向きに注意しましょう。
参考
5月8日朝の放射能放出は大規模、3号機と4号機はボロボロ
5月8日早朝の放射能放出前の風向き
出典 文部科学省
放射性物質は風下に向かうので風向きに関心を持つことは重要
4号機使用済核燃料プールの映像 5月8日
4号機のプールにある核燃料の損傷は微々たるものだったようだが、
この核燃料が4号機建屋をほとんど倒壊寸前にまで破壊したのは事実である。
膨大なエネルギーを持った燃料棒が無傷で残っているのは怖い。
本文はここから
5月6日、米国が発表した航空機による調査結果
空間線量測定期間別結果
放射線量は徐々に減少している
地上の放射線線量
放射性セシウムによる土壌汚染
放射性ヨウ素による汚染は比較的短期間で減少するがセシウムによる汚染は長期に及ぶ。米国は汚染地域の周囲100K㎡での農産物モニタリングを要求している。農業への影響を評価するには水と土壌の検査が不可欠だ。放射性セシウムによる土壌汚染のスケールの最小値は30万ベクレル/㎡である。
放射性セシウムによる土壌汚染は初めての経験
(出典 東京電力)
日本人は放射性セシウムによる土壌汚染は初めての経験である。
食品にはカリウム40などの放射性物質が若干含まれているが
これまでは牛乳で50ベクレル/kg、ホウレン草で200ベクレル/kgであった。
福島の農産物は食品暫定基準を満たせるのか?
(出典 食品安全委員会)
放射性セシウムによる汚染が30万ベクレル/㎡もあるような土地で暫定基準を満たす200ベクレル/Kg未満の乳製品や500ベクレル/kg未満のホウレン草が収穫できるはずがない。
米国NRCによる放射線規制
放射線量と規制値について 米国NRC
( 1 Sv = 100 rem = 100,000 mrem 10μSv =1mrem 10mSv =1rem )
上記グラフには興味深いデータがいろいろ書かれている
NRCが許容する一般人の年間被ばく線量上限は 1mSv ( 100mrem )
その他、
米国では自然からの被ばくが 3mSv あり平均6.2mSv被ばくしている。
米国の原発作業員の年間被ばく線量上限は 50mSv ( 5000mrem )
体内からの放射線 0.4mSv
宇宙からの放射線 0.3mSv
胸部レントゲン写真 0.1mSv
全身CT検査 10mSv
中でも最も重要なのは、
EPAが定める飲食物からの被ばく線量上限 0.04mSv
暫定基準では飲食物からの被ばく線量上限が守れません
(出典 食品安全委員会)
食品安全委員会が発表した文書の例1、例2に沿って計算すると、放射性セシウムと放射性ヨウ素に汚染された食品を1kg食べると0.0113mSv被ばくする。この暫定基準を守ってもEPAが定める飲食物からの被ばく線量上限 0.04mSv を、たった4日で超過してしまう。
コメント
福島県を襲った放射能汚染の状況が徐々に見えてきた。空間線量は徐々に減少しているが、土壌を汚染している放射性セシウムは半減期が30年もあるやっかいな物質である。この放射性セシウムが30万ベクレル/㎡という規模で広がっており、このような農地では暫定基準を満たせるような農産物を栽培するのはとても困難である。暫定基準にも問題がある。この暫定基準にそって放射能に汚染された食品をたった1日1kg、4日間食べるだけで米国EPAが定めた飲食物からの被ばく線量上限を超えてしまう。1日2kg食べると食品からの被ばくだけで約10mSv/年になる。
子供たちの学校生活での被ばく線量上限が年間20mSvと定められたが、食品からの被ばくを考えると年間30mSvの被ばくになる。このような食品を子供や妊婦に食べさせてはいけない。
徐々に蓄積されてきたデータによれば福島県では広大な土地で農業が出来なくなっており、さらに食品暫定基準を満たした食品でさえ被ばくを十分に防げないことが明らかになりつつある。これは風評被害ではなく、農業に対する実害である。これを風評と呼べば農業政策を誤ってしまう。
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