そう考えて温度に関するパラメーターを見てみたら、またもや一部のデータが未公開になっていた。
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原子炉建屋の構造
圧力容器と格納容器の位置関係
圧力容器と格納容器の位置関係
核燃料は原子炉圧力容器内にある。原子炉圧力容器の外側に洋ナシ形の格納容器がある。
1号機の温度パラメータを読む
出典 東京電力
赤枠内について
核燃料が圧力容器の底を破って落下した時間には、CRDハウジング上部および下部の温度が上昇したはずだが、核燃料が落下したと思われる3月27日までのデータが未公開になっている。
1号機の核燃料は地下に落下している
地下から湯気が噴き上げる映像
福島第一原発1号機原子炉建屋の湯気(東電提供)
2号機の温度測定部位
出典 東京電力
2号機も原子炉の下方に強い熱源がある
出典 東京電力
黄色い枠
圧力容器下部温度よりも圧力容器支持スカート上部温度、CRDハウジング上部温度、圧力容器ドレインパイプ上部温度の温度が高い。核燃料はこの付近にあるようだ。これらの構造物は圧力容器の底部に設置されており、再臨界した核燃料が高熱を発しながら圧力容器の底に穴を開けたようだ。
ピンクの枠
CRDハウジング上部温度の上昇に続いて、圧力容器ドレインパイプ上部温度が上昇している。CRDハウジング上部から圧力容器ドレインパイプ上部付近に高温の核燃料が落下してきたようだ。
赤枠
圧力容器下部とCRDハウジング上部温度が再び上昇するが、それほど高温になっておらず、核燃料は格納容器底部に落下したようだ。
2号機の核燃料の位置(推定)
赤い部分が核燃料の位置
2号機では核燃料の一部は原子炉圧力容器の底を破って格納容器底部に落下したようだ。圧力容器の鉄板の厚さは9センチだが格納容器は3センチと薄く、核燃料が格納容器を破って地下にめりこんだ可能性が有る。2号機でも建屋内の線量が高く
明らかに放射能が漏れている
福島第一原子力発電所2号機遮へい壁
放射能が漏れており作業には遮へい壁が必要だ
出典 東京電力
2号機地下に貯まった高濃度汚染水
地下に水が貯まっており格納容器の底に穴が開いたようだ
出典 テレビ朝日
出典 東京電力
2号機では29億ベクレルの水たまり
福島原発2号機の29億ベクレルの水たまりについて。 2011 03 27
3号機の温度パラメータ
出典 東京電力
3号機も圧力容器に穴が開き核燃料落下
出典 東京電力
赤枠
原子炉上部にあるRPV胴フランジから圧力容器下部まで原子炉全体が高温になり、その後、RPV胴フランジなど上部にある構造物の温度は低下したが圧力容器下部の温度は逆に上昇した。これは高温になった核燃料が溶けて原子炉底部に落下したからであろう。7月には胴フランジ付近と原子炉底部の温度が下がり、両者の温度差も小さくなっており、核燃料は原子炉底部から格納容器内に落下したようだ。
3号機の核燃料の位置(推定)
赤い部分が核燃料の位置
高温になった核燃料は薄い格納容器の鉄板を破っていると思われる。その場合、CRDハウジングなど下部構造物が高温になると思われるがCRDハウジングのデータが未公開だ。
3号機では1階地面に鉄板を敷いた。
これは地下からの放射能を防ぐためだ。
出典 東京電力
地下に落ちた核燃料からの放射能を防ぐ鉄板
3号機1階
出典 東京電力
福島原発 3号機の水たまりの放射性物質通常の1万倍の濃度検出 3月25日
コメント
そう考えて温度に関するパラメーターを見てみたら、またもや一部のデータが未公開になっていた。
温度パラメーターを見ながら核燃料の位置を推定してみると、高温になった核燃料が圧力容器の下部を破って格納容器内に落下したように読める。
1号機から3号機では原子炉建屋の地下に高濃度の放射能を含む汚水が貯留しており格納容器に穴が開いたのは確実だ。
1号機から3号機の温度に関するパラメーターは低下傾向を示しているが、核燃料が冷えたのではなく、落下した核燃料が地下にめりこんだ可能性がある。
1号機では地下から水蒸気が吹き上げており3号機では床面に鉄板を敷いて放射線を遮蔽しなければ立ち入れないほどだ。
早く格納容器の穴を塞がなければ地下水汚染が進むのは時間の問題だ。